ボストン渡航記

 

 平成30年03月07日~15日にボストン遠征を行いました。

 当初考えていた以上に実りある遠征で、今後も数年に一度実施することが決定しております。

 以下、渡航記を記します。また「写真館」ページの「ボストン渡航記」にある写真もお楽しみください。

 

ホーム → 写真館 → ボストン渡航記

 

【参加者】学生5名、引率2名

今村洸登君(法政大学)、宇野勇気君(法政大学)、三浦彩さん(千葉工大学)、富永莉加さん(千葉工大学)、森川真帆さん(京都工芸繊維大学)、橋本義清理事長、小峯裕之前理事長

 

 

03月07日(水)16時00分:成田空港集合 18時30分:出発

 成田空港での集合時間前には全員がすでに揃っていた。全日本理工科系大学空手道連盟にとっても初めての海外遠征に、それぞれが不安と期待が入り混じった面持ちが感じられる。出国手続きを控え、空港には東工大・齋藤先生が駆けつけ、渡航手続き等の手助けをしてくださったこともあり、むしろ気の引き締まる思いで出国することができた。

 

03月07日(水)17時20分:ボストン到着

 空港には前日入りしていた小峯先輩(東工大OB)とともにグレッグ氏、バズリック氏、カシアーノ氏が出迎えてくれた。グレッグ氏は今回の宿泊施設を世話してくださった方で、その風貌はトランプ大統領のようで、ひそかに「トランプ」とあだ名をつけた。他の二人はMITの院生であるが、真面目タイプのバズリック氏とブラジル人特有の明るく人懐っこい性格のカシアーノ氏の歓迎にフライトの疲れも吹き飛んでしまった。特に一時期他大学の教授職にあったカシアーノ氏の異色の経歴(トライアスロンのアメリカ代表のヘッドコーチ)には驚かされた。

 一行は雨の中、バズリック氏とカシアーノ氏に宿泊場所まで送っていただいた。宿泊場所は中心街にあり地下鉄にも近く便利な場所にある一軒家を手配していただいた。

 そしてMITで練習を終えたNACKC(MIT、ハーバード大、ボストン大、ウェズリー大)のメンバーと合流。早速近くのレストランで歓迎会が催された。両メンバーとも、練習疲れ、フライト疲れも感じさせないほど盛り上がり、和気あいあいとした雰囲気ですぐに打ち解けていたことに、物怖じしない現代の学生気質を強く感じた。

 

03月08日(木)終日フリー

 昨日の雨は雪に変わり、30cmの積雪には驚いた。各々がボストン観光を満喫した。

 学生はボストン市内観光。私は小峰先輩とともにボストン美術館を見学。夜は全員で市内レストランにて会食。いよいよ明日は合同練習と思うのか、心持ち学生の顔には多少の緊張感が漂っているように見える。

 

03月09日(金)15時00分:MIT見学 17時00分~19時00分:合同練習

 最初のMIT見学は、何よりもそのキャンパスの広さに圧倒された。もちろんスポーツ施設等の充実度も素晴らしく、やはり世界を代表する大学であることを実感した。

 合同練習には約40名が参加。まず1時間ほど私が基本および形を指導。その後学生が形ならびに組手を披露する。今村君がエンピ、森川さんがクルルンファ。三浦さんと富永さんが基本一本、今村君と宇野君が組手試合を披露した。

 いずれも披露の度に、NACKCメンバーからは驚きともとれるどよめきが漏れていた。MITの学生は我々の指導を非常に真摯に受け止めており、何かを学び取ろうという気持ちがあふれ出ていることに逆に感銘を受けた。何よりも我々日本の練習と違い、明るく練習していることに驚き、彼らから感じ取ったことは今回の海外遠征の成果の一つである。

 

03月10日(土)ウェズリー大学見学 17時00分~19時00分:合同練習

 ウェズリー大学もMIT同様、キャンパス内に湖もある広大な大学である。アメリカセブンシスターズ大学の一つであり、クリントン女史、オルブライト国務長官を輩出している名門大である。今年度よりNACKCに参加した大学で現在約20名の部員で稽古に励んでいるとのこと。

 ここでは約30名ほどの合同練習で、まずグレッグ氏が指導。その後、私と小峰先輩、学生たちが各々30分ほどの個別指導を行った。ここでは初心者が多かったので、学生たちも基本を中心に指導していたようである。まるで新入部生に丁寧に教えているような雰囲気であった。

 

03月11日(日)終日フリー

 学生は市内見学に三々五々出かけて行った。後に耳にしたことであるが、どうやら昼食はNACKCのメンバーに有名なハンバーガーの店に連れて行ってもらったとのこと。

 我々はボブ氏夫妻と会食。ボブ氏はボストン大学出身の弁護士で、奥様とは空手が縁で知り合ったとのこと。空手以外にも乗馬が趣味のお二人とか。グレッグ氏が田畑先生の左腕的存在だとすれば、ボブ氏は右腕的存在といったところであろうか。そこでは今後の派遣について話題となった。多少具体的な話となったが意見交換にとどめ、本学連の今後の課題として報告することとした。

 

03月12日(月)15時00分~16時30分:ハーバード大学見学、終了後MITにて練習

 全員で全米で4番目に大きいチャイナタウンで昼食を満喫したのち、ハーバード大学を見学、その後MITにて最後の練習を行った。

 最後ということもあったのか、約40名が参加した。最初20分ほど私が基本の指導を行った。その後5グループに分かれ、学生達が自分の得意分野を10分間指導。指導する学生は10分ごとにグループを回り、最終的に全員を指導した。この指導法は学生主導の指導を目的としていたので、私と小峰先輩はバックサポートに徹した。学生達は非常にまじめに取り組んでおり、指導の難しさも感じながらも一皮むけたのではないかと感じさせるようなシーンも垣間見えた。

 最後は田畑先生が締め、今回の合同練習を終了した。終了後、地元レストランバーで全員で会食となったが、NACKCのメンバーも日本の学生も最終日ということもあり、興奮度はかなりのもので、一般客に迷惑でなかったかと思われるほどであった。

 

03月13日(火)帰国予定であったが積雪のため帰国を延期

 60㎝(!)の積雪のため欠航し、帰国は1日遅れることとなった。想定外のアクシデントに引率責任者として対応に苦慮したが、グレッグ氏等の協力もあり乗り切ることができた。積雪の為、レストランがクローズであったが、ボストン大学の学生が自宅に学生たちを招待してくれた。私と小峰先輩の心配をよそに学生たちがなかなか帰宅しないことは、その歓迎ぶりを表している証明であろう。

 

03月14日(水)09時00分:米国を出国

 05時00分、小峯先輩は一足先にニューヨークに向けて出発。私と学生はグレッグさんが手配していただいたタクシーで06時30分に宿舎を出発。出発に先駆け、雪掻きと部屋の片づけを全員で行ったが、今朝方まで米国滞在を楽しんでいた学生たちには、かなりつらい作業だったのではないかと思う。おそらくフライト中は爆睡であったと思う。

 

03月15日(木)11時30分:成田着 12時30分:解散

 成田空港に着陸した瞬間に、全員怪我もなく無事帰国できたことが何よりの大きな土産である。今回の初めての海外遠征で得たものもたくさんあるが、課題も持ち帰ることができたことは大きな成果であると思う。

 

【総括】

 学生たちにとっては初めての海外であったが、昨年NECKC(現NACKC)メンバーの来日時における交流があったことで、すぐに打ち解けることができ、初日から和やかな交流になった。

 はじめは言葉の壁が厚く困惑するばかりであったが、最終日にはメール交換もするなど意思疎通ができるほどになっていた。やはり空手の影響が強くNACKCメンバーも彼らをリスペクトして接してくれたことが大きかったと思う。参加した学生が、英語を勉強しなければいけないと痛感し、また空手をやっているからこその今回の歓迎があったことを考え、今後も空手を続けていこうと思ってくれれば、今回の遠征の意義があるのではないかと思われる。すなわち今回の交流経験を通し、学生自身もさることながら全日本理工科系大学空手道連盟としても大きな成果と今後の課題を得たのではないだろうか。

 また小峰先輩の存在も大きかった。海外駐在が長く、英語、中国語を彼らの前で流暢にこなす姿を見た学生はリスペクトしたことであろう。今回の遠征において小峯先輩がいなければどうなっていたか振り返れば恐ろしい限りである。本当にありがとうございました。

 NACKCの指導者田畑先生、ボブ氏、グレッグ氏、バズリック氏、カシアーノ氏、そしてNACKCの学生たちには本当に親切にしていただき感謝いたします。

(NACKCは今年度より田畑先生、ボブ氏は一歩退き、グレッグ氏、バズリック氏、カシアーノ氏の体制になるとのこと。また名称もNECKCからNACKCに変更された)

 最後に、今回の遠征に賛同していただき、バックアップしていただいた全日本理工科系大学空手道連盟、および個別に支援していただいた加藤先輩(芝浦工大)、斎藤先輩(東工大)、松本先輩(法政大)、谷岡先輩(法政大)、法政大学工体連、野口先輩(高岡法大)に感謝いたします。

 

                          理事長 橋本義清

 

 今回の遠征のおける搭乗券などの手配や連絡等、大変ありがとうございました。おかげで私はとても良い刺激を受けることができました。

 海外の人はとても空手に熱心で、練習が終わるたびに形や組手を教えてほしいと言われました。言葉が通じなくても空手を通じてたくさん伝え合うことができました。

 勉強の面でも、もっと頑張らなくてはいけないな、と思いました。みなさんとても学業に対してのモチベーションが高く、自分の足りないところを感じることができました。特に英語をもっと学び、次に会うときはちゃんと会話ができるようになりたいです。

 言葉が通じなくても、分かり合おうとすることの大切さを学ぶことができました。また日本人同士の絆も深まり、とても充実した遠征となりました。これからは自ら積極的に海外に行きたいと思っています。

 ありがとうございました。

 

                        千葉工業大学 三浦彩

 

 まさか初めての渡航がボストンだとは夢にも思わなかった。映像でしか見たことがない世界を目の当たりにしたのだ。機械工学を専攻している私にとっては聖地ともいえるマサチューセッツ工科大学に、幸いにも研究室まで足を踏み入れることができた。すべてが興味深く心底から楽しんだ。

 松濤館空手のNACKCのメンバーとの合同練習の際、私が習ってきた剛柔流の基本を教えることになった。当初、違う流派を教えることは彼らにとって迷惑になるのではないかと考えていたが、全くの杞憂だった。彼らはとても熱心に、そして楽しみながら私の説明に耳を傾けてくれた。何でも吸収しようとする姿勢に感銘を受けた。彼らと過ごした日々は私の生涯の宝物だ。心から感謝している。別れが辛かった。

 そして行動を共にしていた法政大と千葉工大の楽しい仲間達、本当にありがとう。最後にこの素晴らしい機会を与えて下さった連盟の方々に心より御礼申し上げる。

 

                     京都工芸繊維大学 森川真帆